特発性大腿骨頭壊死症 右股関節手術の記録 | |
(人工股関節全置換術 MIS手術) |
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2005(H17)年4月に、左股関節に対し人工骨頭置換術を受けました。 しかし、歩行の時の激痛で足を引きずるようになったり、さらに股関節の運動が出来なくなったり、自宅階段の昇降困難などの生活困難な状態が多く出てきたため、手術を前提にした受診を受けるために、前回、左股関節を手術した病院の主治医を訪ねました。 |
↓約7ヶ月前の下の写真と比べると良く分かります |
今回の右股関節編は、UCの再燃期と重なってしまったので、2つの病気のコラボレーションレポートとなっていますので、多少理解しにくくなっています。 ご了承下さい。(★はUC関連です) |
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自己血採血(2回採血で合計800mlを貯血した) | ||
・1回目は11月18日に400mlを採血、その後の輸液はなく約20分で終了。 ・2回目は1週間後の11月25日に同じく400ml採血し、その後輸液を受け約3時間で終了、これで手術の準備はOKだ! ★ただ心配なことが起こりつつある。受診前からUCに再燃の兆候が出ています。 特に自己血1回目後、少量だが血便が出るようになり、11月17日のUC受診ではCRPが0.7に上昇したので、プレドニン継続となる。 ★2回目採血前の検査では、ヘモは14.2でまだ貧血の兆候は出ていないが、白血球が上昇している。UCにはこのまま平穏にしていてもらいたいものだ。 |
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★臨時大腸ファイバー検査 13回目(SS):11月29日 | ||
・入院前に臨時で大腸ファイバー検査を受けてきた。 S状結腸までのSS検査だが結果は、まだ潰瘍には至っていないが腸管には多くのビランがあり出血が認められる。 ・念のためプレドニンを10mgに増量した。 CRP値には変化なしだが白血球数は上昇傾向、ヘモは12.3と下降傾向と少し心配だ。 |
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入院:12月2日 | ||
・本日は午後からの入院なので入院用品の最終チェックをゆっくりとする。 前回の春の入院と違い、さすがに冬物はかさばる。 ・入院病棟は手術前だが新館の急性期病棟になる。 3人部屋の準個室でLANも使える。 病棟看護士の顔ぶれが、4月の時とかなり替わっていますが、以前にお世話になった看護士の方が、3人いらっしゃいました。何となく心強いです。 ・入院後、食事を担当する「栄養部」の責任者と面談し、UCを考慮して野菜類は軟菜に、朝食の牛乳は豆乳に変更していただいた。 ・念のため、UCに備えて自宅に山のようにある「エンシュアリキッド」を段ボール箱2箱持って来た。 部屋に冷蔵庫はないが各ベットにそれぞれバルコニーに出られる窓があるので、エンシュアは箱ごと外に出して冷やすことにした(冬場のメリットだ) ・インターネットも使える環境なので、退屈になったらノートPCを持って来てもらおう。 ★本日、夜から胃のあたりか横行結腸あたりに違和感(軽い痛み)が出るようになる。 |
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手術前日まで:12月3日〜12月7日 | ||
・手術前に、主治医と今回の手術についての詳しい説明を受ける。 残念ながら、今回は骨頭の陥没が大きいため、人工骨頭にしても軟骨に傷が残り、痛みが残る可能性が高いので、骨盤側も置換するTHAを行うとのこと。 ・人工関節の実物(患者説明用のもの)に触れたが、チタン製とはいえ結構ずっしりと重い。 ・ただし、今回はMIS(最小侵襲手術:Minimally Invasive Solution)で行うので筋肉組織を傷つけないので、術後の回復は前回に較べ早いとのことだ。 ・その他、麻酔医との手術前に直接面談があった。 ・UCで服用中のプレドニン(ステロイド)の影響で感染症に対する注意が重要になるとのことだ。 ・各種検査が行われたが、前回に較べると簡素化されている。 ★UCは出血が増えているが、まだ倦怠感を覚えるようなことはない。 |
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MISと従来法の切開方法の違い(ジンマー社HPより) | ||
↑従来法での切開 | ↑MISでの切開 | |
・MISは約8cm程度の切開で行うので、患者の体型や症状によってはMISの対象にはならない症例もあるそうです。 ・特に、肥満や筋肉質の方、および病状が高度に進んだ方は対象にならないことが多いそうです。 ・この病院では、前回退院後の7月からMISを開始したが、既にかなりの症例を行っているとのことです。 また、MISと従来法とは約50%ずつだそうです。 |
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手術当日:12月8日 | ||
・手術は前回同様、全身麻酔で行うとのこと。小心者の私には手術中の音や会話が聞こえるのはダメなので一安心。 ・今回、抗生剤のパッチテストや尿道カテーテル挿入は、オペ室にて麻酔後に行うそうです。 ・11時から左腕に点滴ラインの確保のため、点滴開始。 ・12時30分、全身の清拭を自分でした後に、手術着に着替える(パンツは履いたまま)。 ・13時、点滴交換。胃粘膜を保護する薬(ガスター)を点滴ラインより注射。 ・13時50分、いよいよ手術室へ。階下の手術室へは点滴スタンドをゴロゴロさせて元気に歩いて行きました。 ・前回と同じブルーに統一されたオペ室です。暖房が入っていて寒くはない。 回復室で手術部の看護士(男性)の基本的な質問に答えたあと、手術室へ入り手術台に横になりました(2回目とはいえ、やはり緊張します) ・麻酔医が入室し本番の手術以上に恐れていた硬膜外麻酔(エピドラチューブの挿入)も、今回はたいした痛みもなく挿入完了(前回に比べて痛くなかったので、もう終わったのか麻酔医に尋ねたほどでした) ・14時15分、全身麻酔開始。静脈からの麻酔であっという間に寝てしまいました。その後、気管挿管され全身麻酔が始まったものと思われますが残念ながら記憶がありません。 |
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===========手術中=========== | ||
・ナースの騒々しい声で目が覚めました。 ・時間は不明。 前回と違い、かなり朦朧としています。 ・ストレッチャーのまま、レントゲン室へ運ばれ記念撮影。 ・当日の夜は、硬膜外麻酔が効きすぎて、手術した右足に痛みがないのは良いのですが、非患側の左足にも麻酔が効いて全く感覚がない状態でした。 ・手術した足に痛みがないのはありがたいのですが、もう片足に感覚がないのは、どうも気持ちが悪く、ナースに硬膜外麻酔を一時中止してもらいました。 ・身体には、左腕の点滴チューブ、背中の硬膜外麻酔チューブ、尿道カテーテル、そして手術部のドレーンチューブと合計4本のチューブのため、寝返りはうてません。 ひたすら我慢大会の夜です。 ・両足には弾性ストッキング(前回使ったものを持参)を履いていますが、前回装着されていたプレパンツは、やはり患者の不評から廃止されたそうです。 ・自己血の1回目400mlが返されました。 ・結局、この夜はナースによる熱心な看護と、しびれや寝返りできない不自由さとの戦いで熟睡することはありませんでした。 ・手術時間はMISのため、前回の人工骨頭置換と較べると2倍以上かかりました。 |
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術後1日目:12月9日 | ||
・自己血の残り400mlが返されるが、その後発熱(39.2℃)、座薬で対処する。 ★夜中から明け方にかけて、お腹の調子が悪い。 ★朝っぱらの4時にナースコールし、タップリと出しました。 しかし、便臭がUC悪化の時のような臭いがする。 ・ベット上でのリハビリが始まる(膝の屈伸程度) |
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術後2日目:12月10日 | ||
・本日で抗生剤の点滴と注射が終了、まずは左腕の点滴が抜ける。 ・お昼前に、硬膜外麻酔、カテーテル、ドレーンが抜けて、晴れて自由の身となった。 ・本日より、車椅子での移動が可能になり、久々に病室から外に出た。やはり人間は上体を起こして生きる生き物だと実感する。 ・リハビリでは、平行棒での体重を掛けての歩行練習開始。 |
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術後4日目:12月12日 | ||
・本日より食事を病室からダイニングへ変更。窓からの見晴らしが良く、気分良く食事をする。 ・本日より片松葉杖での歩行練習を開始。 ★UCの出血は相変わらず続くが、気分は悪くない。 |
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抜糸などなど:12月13日〜15日 | ||
・15日に抜糸した。メインが8針+ドライバー穴2針の合計10針でした。 ★13日あたりからUCによる出血が増え始めると同時に、発熱が続く。 ★15日の血液検査で、CRP値が13.8という高値を記録! 通常1週間目のCRPは3.0前後だそうなので、この高値はUCによるものと思われる。 |
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★緊急大腸ファイバー 14回目:12月16日 | ||
・早朝に結構な量の下血がある。UCで掛り付けの病院に電話して予約を入れる。 入院している病院に、UCを診る診療科が無いのでUCについては掛り付けの別病院への受診となるのが悩みの種である。 ・病院に到着し検温すると38℃の発熱があり、しばらくベットで休み、昼前から大腸ファイバー(SS)検査を受ける。 ・心配していた潰瘍が出来ていたため、ファイバーよりステロイド(ソルコーテフ)のスプレーを行う。 ・UCの薬(ペンタサとプレドニン)が増量となる。 ・次回26日に、再ファイバーの予定。 |
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★UCで食事とれず:12月17日〜21日 | ||
・UCによる腹痛と出血、倦怠感で食欲ゼロ! メインの食事は「エンシュアリキッド」にするが、エンシュアのこってりとした甘さのため、2本 500ml飲むのに1時間以上かかる。 ・この時期は、きつさのため一日中ベットの上でボーっとして過ごすことが多かった。 ・17日頃から、片松葉杖に代りステッキを使う。 |
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動悸・息切れ・悪寒‥いったいどうした?:12月22日 | ||
・久々にリハビリルームへ出かけたが、帰りのトイレの中で、急に動悸、息切れ、悪寒がして急いで病室に戻り寝込んでしまった。 ・今朝の採血の結果、カリウムの値が異常に上昇しているとのこと(高カリウム血症)。 これが原因だったんだ。 ・カリウムを下げるための、マズイ薬(羊羹状)が処方される(薬の正体はイオン交換樹脂) ・本日あたりからUCの病状が少しだけ良くなってきた気がする。 |
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食欲が出てきた:12月22日〜25日 | ||
・徐々にではあるが、食欲が戻ってきた。 24日からは、完食出来るようになった。 ・24日の院長回診では、院長が主治医に退院を切り出していた。 ★UCは、出血量が少なくなり、全身状態も良くなってきた。 ・25日は体重が49kgを切ってしまった。 |
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★大腸ファイバー 15回目:12月26日 | ||
・今回も前回同様、SSにて検査。 ・結果は、潰瘍はまだあるものの、CRP値が0.6と下がったので、プレドニンの減量を開始した。 ・潰瘍には、ステロイド(ソルコーテフ)をスプレーした。 ・次回、1月10日に全大腸ファイバー検査を予定。 ・退院を12月29日に決める。 |
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退院:12月29日 | ||
・UCとのコラボレーションで、非常に辛い入院生活になってはしまったが、股関節はMISのためその後の痛みも少なく順調な回復だった。 ・ただ、UCのために本格的なリハビリが全くと言っていいほど出来なかったので、退院後はプールに通って筋力アップと柔軟に努めようと思う。 ・今日のお昼ご飯は「天ぷら盛り合わせ」だ。 ・前回UCで食べられなかったので、今日はリベンジの意味で食べてから退院しました。 |
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THA後のレントゲン写真 | ||
向かって右が今回の人工股関節です。 骨盤内の角が出ているような半球がシェルでネジにより骨盤に固定されています。 シェルの中に骨頭のボールが嵌め込まれており、これが関節として可動します。 一方、向かって左が前回手術した左股関節の人工骨頭です。骨盤内の人工骨頭が関節として骨盤内で可動すると同時に人工骨頭内に嵌め込まれたボールも可動します。 この2つの可動部分があることにより人工股関節よりも大きな可動域が実現しています。 |
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MISの手術跡 | ||
前回の左人工骨頭置換(従来法) | 今回のTHA(MIS法) | |
MISの傷の長さは約8cmです。メインの傷の下方に2カ所の小さな傷がありますが これは、手術で骨盤側に入れるシェルを固定する時にMISの小さな切開部から だとドライバーを入れても方向が合わないため、正しい方向からドライバーを 差し込むための穴です。 |
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今回の手術・入院にかかった費用はこちらをご覧下さい。 | ||
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定期検査と骨密度測定(H18.1月12日) |
左右の股関節のX-rey撮影:特に異常は認められない。 前回(左股関節時)検査した骨密度が低かったので今回も検査する。結果は前回よりも悪化していたため(治療を要する骨粗鬆症レベル)、活性型ビタミンD(プラチビット®)の処方とMTX細胞の検査を実施する。 結果は次回来院時に‥結果次第では新たな薬を処方とのこと。 |
定期検査(H18.2月9日) |
前回検査のMTXの値が高かったので「ベネット®」という薬を処方される。 この薬の飲み方が面倒で、朝の起床時(空腹時)に200ccの水で飲み、その後30分間は、身体を横にすることは禁止で水以外の飲み食いも禁止です。 |
定期検査(H18.3月9日) |
股関節X-ray撮影:THAのコンポーネントのネック部分が若干沈下して本来の位置に戻ったそうだ? 次回は6月の予定。 |
定期検査(H18.6月1日) |
両股関節のレントゲン撮影→特に異常は認められない 時折、膝痛があるので相談したがIONには膝の壊死報告もあるので痛みが続くようであれば一度精密検査をと薦められる。 骨粗鬆症関係の薬は3か月分処方(検査は3ヵ月後) |
定期検査(H18.8月24日) |
・両股関節のレントゲン撮影(異常なし) ・骨密度検査とNTX細胞の検査を実施(骨密度は若干の改善傾向あり。少なくとも減ってはいない) ・最近、「こむら返り」を度々することを相談したら、血液検査(特に電解質)実施→特に異常なし |
特定疾患受給者証更新(H18.9月22日) |
7月10日に郵送しておいた更新請求で更新が認められました。 私自身(Drも)、もう両股関節を人工関節に置換したから今回は認められるか難しいかもしれないということでしたが、本日、更新された受給者証が届きました。 近々、身体障害者手帳の等級更新手続きをしようと思います。 |
転びました(H18.11月11日) |
・小雨の中、仕事中に右足が滑って体勢を崩し、両手をつきながらも尻餅はつきませんでしたが、流れた右足に変な形で負荷がかかってしましました。 大腿部のユニット先端部分の辺りと両膝が痛みます。 来週が通院日なので相談することにします。 |
定期検査(H18.11月16日) |
・レントゲン撮影(両股関節と右股関節詳細)の結果、幸いなことに大腿骨に転倒による損傷はないとのこと。 ・8/24のNTX検査の結果も17.8と正常値になっていて、ベネットの効果が現れています(前回は121.4の異常な値)。 左ユニット先端 右ユニット先端 |
平成19年以降(2007年)の記録 | |||
臨時診察(H19年1月4日) | |||
年末の会社大掃除の時、しばらくしゃがみこんで作業をしていたら、左股関節が痛み出し鎮痛剤を2倍量飲んで何とか治まりました。 最近、左股関節が痛むことがたびたびあるのです。 特に重いものを持ったりとかしていないにも拘らず、体重を直立姿勢以外の方向へかけて作業をしたりすると起こるようです。 レントゲン所見では骨盤内の臼蓋にも特に異常はないとのことでしたので、念のために飲み薬と座薬の鎮痛剤を大量に処方してもらいました。 |
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定期検査(H19年2月8日) | |||
レントゲン所見異常なし。 最近では、左足を浮かせると大腿部の中央付近が痛くなることがあります。 今日はずっと先延ばしにしておいた身体障害者手帳の等級変更のための診断もしてきました。 ものはついでにと、尺骨神経麻痺で少し不自由な右手も合わせて診断してもらいましたが、右手のほうの該当は難しいとのこと。 後日、診断書を持って4級から3級への手続きをしました。 |
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定期検査(H19年5月10日) | |||
3ヶ月ぶりの検査日です。 今日はレントゲンはありません。 「骨密度測定」と「NTXマーカー」の検査をしました。 骨密度は前回8月24日の検査値と変化なし…減ってはいなかったが多少がっかりした。 NTXの検査のため検尿をしましたが、実は昨日から腎臓結石で血尿が出ています。検尿でも血尿でしたが検査には影響ないとの事。 結石は右腎臓にあって、大きさが5ミリ×3ミリ程度で自然に出るかどうか微妙な大きさです。 確認のため尿はカップに一度とって見ていますが、今日の昼頃から黒い物体が混ざっています(少しずつ出ている模様) 土日は歓迎会で温泉ホテルで飲み会ですので、それまでに出てくれることを祈っています。 |
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2009.9.10(定期検査) | |||
随分とご無沙汰の更新です。 幸いにも左右とも手術後大きなトラブルもなく、現在は年に4回の検診となっています。 そのうち1回は、骨粗鬆症の検査も兼ねて「NTX」の検査もします。 今日も前回から3ヶ月ぶりの人工股関節の検診日でした。 レントゲン写真では、左右とも全くの問題なし! だけど、左人工骨頭で普通に歩ける距離や、作業できる時間は確実に少なくなっています。 痛みが出やすくなっています。 年に4回の検査なのですが(何事もなければ)、数回は主治医にこのことを話しています。 主治医も「オペの時に目視して良かれと思ったのですが…もうし訳ない」と謝られます。 私は人工骨頭(骨盤側は生体のまま)の選択に後悔は全くしていませんし、手術前と変わらない可動域もあり感謝しているぐらいです。 痛みも、たいていは安静で良くなるし。 筋トレが絶対的に不足しています。 意識して、徒歩や自転車を使うようにしなきゃいけないようです。 |
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